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ミネラルについて

ミネラルとは?

生体を構成する元素のうち、酸素(〇)、炭素(C)、
水素(H)、窒素(N)を除く元素の総称。
生体内元素の約4%を占め、骨などの組織や酵素の構成成分、体液中の電解質などとして重要な役割を担っている。

ミネラルの種類

ミネラルは、体内の存在量に応じてマクロミネラル(多量ミネラル)とミクロミネラル(微量ミネラル)に分類することができる。
ミネラルは必要量としてはわずかだが、欠乏や過剰によってさまざまな症状をきたす。

1.カルシウム(Ca)

カルシウムは、生体内で最も多量に存在するミネラルであり、体重の1~2%を占める。
その約99%が骨や歯に、約1%が細胞内、約0.1%が血液中に存在する。
骨はカルシウムの貯蔵庫としての役割もあり、ホルモンの作用によって骨中のカルシウムの出し入れが行われ、血液中のカルシウム濃度は一定の範囲内に維持されている。
血液中のカルシウムの調節は、器官としては骨、腎臓、腸管、ホルモンとしては副甲状腺ホルモン、カルシトニン、活性型ビタミンDなどが関わっている。
カルシウムは、骨や歯の主成分であるだけではなく、神経の刺激の伝達や筋肉の収縮にとっても必要であり、不足すると神経の興奮性が高まり、筋肉は弛緩する。
また、血液凝固や細胞の情報伝達、酵素の活性化、体液のpHの調節などにも関わっている。
カルシウムが欠乏すると生じる症状として、幼児では、くる病、成人では骨軟化症、骨粗しょう症などがある。
低カルシウム血症では、テタニー(手足のしびれなど)となる。
健康な人の場合、通常の食事からカルシウムを多量に摂取しても、健康障害が発生することはまれだが、サプリメントの利用などによる過剰摂取により、泌尿器系結石やミルク-アルカリ症候群(慢性の腎臓障害)、ほかのミネラルの吸収抑制を引き起こすことがある。


また、カルシウムの過剰摂取によってマグネシウムやリン酸などの吸収が妨げられることがあるため、摂取量はカルシウム:マグネシウムが2:1、カルシウム:リン酸が1:1が理想的といわれている。

2.リン(P)

リンは、生体内のすべての組織と細胞に存在し、体重の約1%を占め、ミネラルのなかではカルシウムの次に多い。生体内のリンのうち、約85%がカルシウムとともに骨や歯に存在する。リンの血中濃度は、2.5~5.0mg/dlと広い範囲で維持され、食事からのリンの摂取量により増減し、尿中への排泄によって調節されている。

骨や歯、細胞膜(リン脂質)、核酸、ヌクレオチド、高エネルギーリン酸化合物(ATP、クレアチンリン酸)、ビタミンから合成される補酵素の構成素としての役割があり、生体内のさまざまな機能に関わっている。

通常、リンの摂取量は食事により不足することはない。問題となるのは過剰摂取で、栄養補助食品や清涼飲料水にはリンが多量に含まれていることがあり、加工食品には添加物としてリン酸塩が使用されていることも多い。
長期的にリンを過剰摂取すると、副甲状腺機能が亢進し、カルシウムの吸収阻害や腎不全、腎結石、骨密度の低下などを引き起こす。

3.マグネシウム(Mg)

マグネシウムは、生体内に約25g存在し、そのうち約50~60%が骨中、約27%が筋肉中にある。
そのほか、腎臓、脳、肝臓、肺などの組織、血液、細胞外液に存在する。

酵素の活性化や体温調節、神経の興奮、筋肉の収縮、副甲状腺ホルモンの分泌、脂質代謝に関わっている。
神経の興奮と筋肉の収縮においては、カルシウムの作用をお互いに打ち消し合うことがある。
欠乏すると、血清中のトリグリセリドやVLDL・LDLコレステロール濃度の上昇、骨粗しょう症、低カルシウム血症、神経疾患、運動失調、精神疾患などをきたすが、通常は欠乏することはない。
摂取量が多い場合には尿中に排泄されるため、通常の食品を摂取している人で過剰症は起こらない。