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姿勢・骨格・成長痛・スポーツ障害

姿勢・骨格・成長痛・スポーツ障害

子どもの成長期は、骨・筋肉・神経が急速に発達する非常に重要な時期です。特に小学生〜中学生にかけては骨が急激に伸びるため、筋肉の柔軟性とのアンバランスや姿勢不良が生じやすく、さまざまな体のトラブルが発生します。整骨院には、この時期特有の症状を訴える子どもが多く来院しており、早期介入によって将来の姿勢や運動能力に大きな差が出ることも珍しくありません。

1. 姿勢異常(猫背・反り腰・ストレートネック)

近年最も増えているのが、猫背・巻き肩・反り腰・ストレートネックといった姿勢異常です。
背景には以下の要素があります。
• スマホ・タブレット利用増加
• 長時間の座位(ゲーム・勉強)
• 体幹筋の未発達
• 生活リズムの乱れによる自律神経バランスの低下

成長期の背骨は柔らかく歪みやすいため、不良姿勢が続くと胸郭運動の低下、呼吸の浅さ、集中力低下、肩こり・腰痛の早期発症につながります。
特に小学生の猫背は「姿勢が悪い」というより 身体機能(体幹・背筋・骨盤安定性)が未発達なサインであることが多く、整骨院では姿勢分析・骨盤矯正・体幹トレーニングを組み合わせて改善していきます。

2. 成長痛(オスグッド病・シーバー病)

成長期の代表的なトラブルが、膝下や踵の痛みとして現れる成長痛(骨端症)です。

●オスグッド病(膝の成長痛)

太ももの筋肉(大腿四頭筋)が硬いと、膝下の脛骨粗面に牽引ストレスが加わり炎症が生じます。
症状が強いと歩行痛、階段痛、運動制限が出ます。
• スポーツ(サッカー・バスケ)で悪化
• 成長スピードが速い子に多い
• ジャンプ・ダッシュで症状増強

整骨院では筋緊張の除去、太ももの柔軟性改善、痛みのコントロール、フォーム指導を行います。

●シーバー病(踵の成長痛)

ふくらはぎの筋肉が硬いことで踵の骨(踵骨骨端核)が牽引され炎症を起こします。
• 運動後に踵が痛い
• つま先歩きになる
• 土踏まずが弱い子は再発しやすい

これも早期ケアで改善しやすく、足部アーチ機能の評価が重要です。

3. 側弯症や骨格の歪み

整骨院で多くみられるのが、成長期の軽度側弯・骨盤のねじれ・肩の左右差などの骨格のアンバランスです。

側弯症自体は整形外科の管轄ですが、軽度の機能的側弯(姿勢性)は整骨院でのアプローチが有効です。
• 姿勢不良による脊柱の偏り
• 体幹筋の弱さ
• 片側ばかりに荷重をかける癖
• スポーツの左右差(野球・テニス)

これらは痛みがなく見逃されがちですが、思春期の急成長時に進行することがあるため注意が必要です。評価のうえ、左右バランスの修正、体幹トレーニングで安定させていきます。

4. 運動発達のアンバランス(体幹弱さ・関節の硬さ)

整骨院では「運動が苦手」「転びやすい」「姿勢が保てない」といった相談も非常に多いです。
原因として多いのは “体幹支持力の未発達” と “関節の柔軟性不足(または過剰)” です。

よくある特徴
• ボールがうまく投げられない
• 走るとフォームが崩れる
• 姿勢がすぐ丸くなる
• 長く座っていられない
• 足がよくもつれて転ぶ

これらは“怠け”ではなく、神経―筋協調(体の使い方) が未熟なケースが多いです。
成長期は神経が急速に発達する時期なので、この段階で正しい身体操作を獲得することは非常に重要です。

整骨院では
• 姿勢・動作分析
• 体幹・股関節トレーニング
• 柔軟性改善
• 運動フォーム指導

などを行い、運動能力向上につなげます。

5. スポーツ障害(使いすぎによる障害)


代表例:
• 野球肘・野球肩
• ジャンパー膝
• 腰椎分離症(成長期腰痛の代表)
• シンスプリント
• 足底筋膜炎

●特に多い「腰椎分離症」

成長期の腰痛=要注意。
分離症は疲労骨折の一種で、見逃すと将来慢性腰痛のリスクが上がります。
• 痛みのピークは中学1〜2年
• 後屈動作(反る動き)で痛い
• サッカー・バレー・バスケの子に多い

早期発見すれば保存療法で改善するため、整骨院では動作評価と安静指導が重要になります。

6. 足のアーチ不良(扁平足・外反足)

扁平足や外反足は地味ですが、成長期の痛み・姿勢異常・スポーツ障害に大きく影響します。

特徴:
• すぐ疲れる
• 膝や腰に痛みが出る
• 靴の外側が極端にすり減る
• 走るとフォームが崩れる

扁平足は足のアーチ機能(衝撃吸収)が低下するため、膝・股関節・腰に負担が波及します。
インソール・足部トレーニング・姿勢矯正を組み合わせることで改善が期待できます。

まとめ

整骨院でよく見られる成長期の障害を整理すると、
• 姿勢異常(猫背・反り腰・ストレートネック)
• 成長痛(オスグッド・シーバー病)
• 側弯や骨盤の歪み
• 運動発達のアンバランス(体幹弱さ・協調性不足)
• スポーツ障害(腰椎分離症・野球肘など)
• 足のアーチ異常(扁平足)

これらは痛みが出るまで気づかれないことも多く、気づいた頃には長期化しているケースもあります。
しかし、成長期は改善のチャンスが大きい時期でもあります。

「最近姿勢が気になる」「運動すると痛がる」「疲れやすい」
そんなときは早めに相談していただくことで、将来の成長に大きなプラスになります。