インピンジメント症候群とは?

~肩の痛みの原因と改善方法~
1.インピンジメント症候群とは
インピンジメント症候群とは、肩関節を動かす際に骨や靭帯、腱が挟み込まれて炎症や痛みが起こる状態のことを指します。
英語の「Impingement」は「衝突・挟み込み」という意味であり、肩の中で組織同士がぶつかることで症状が発生します。
特に肩の関節では、
• 上腕骨(腕の骨)
• 肩峰(肩甲骨の一部)
• 腱板(けんばん)
この3つの構造の間で挟み込みが起こりやすく、これが痛みの原因になります。
スポーツ選手だけでなく、
デスクワークや家事をする方でも多く見られる非常に一般的な肩の疾患です。
2.肩の構造とインピンジメントの仕組み
肩関節は人体の中でも最も可動域が広い関節です。
しかしその反面、安定性が低く、筋肉や靭帯によって支えられています。
肩の中には「腱板」と呼ばれる4つの筋肉があります。
腱板の構成
・棘上筋
・棘下筋
・小円筋
・肩甲下筋
この筋肉群は、上腕骨を肩甲骨に引きつけながら肩を安定させる役割を持っています。
しかし肩を挙げた際に
上腕骨と肩峰の間のスペース(肩峰下スペース)
が狭くなると、腱板や滑液包が挟まれてしまいます。
この状態が繰り返されると
• 腱板炎
• 滑液包炎
• 腱板損傷
などへ進行する可能性があります。
3.主な症状
インピンジメント症候群では以下のような症状が見られます。
①肩を上げると痛い
腕を横から上げる際に痛みが出ることが多いです。
特に60°~120°の間で痛みが出る「ペインフルアーク」が特徴的です。
②夜間痛
夜寝ているときに肩が痛くなることがあります。
特に
• 横向きで寝たとき
• 寝返りしたとき
に痛みを感じることが多いです。
③肩を動かすと引っかかる感じ
肩を動かした際に
• ゴリゴリする
• 引っかかる
• 詰まる感じ
が出ることがあります。
④力が入りにくい
腱板の炎症が進むと
• 腕が上がらない
• 力が入らない
といった症状も現れます。
4.原因
インピンジメント症候群の原因は大きく分けて
①構造的要因
②機能的要因
の2つがあります。
①構造的要因
肩の骨の形によってスペースが狭くなるケースです。
例えば
• 肩峰の形状異常
• 骨棘(骨のとげ)
• 加齢による変形
などが原因になります。
この場合、骨の構造によって挟み込みが起こりやすくなります。
②機能的要因
臨床で最も多いのはこちらです。
主な原因
・猫背姿勢
・肩甲骨の動きの低下
・腱板筋力の低下
・肩甲骨周囲筋の弱化
特に肩甲骨の動きが悪くなることが大きく関係しています。
肩を上げる際には
• 上腕骨
• 肩甲骨
が連動して動く必要があります。
しかし姿勢不良などにより肩甲骨が動かなくなると上腕骨だけが動き、肩のスペースが狭くなるため、挟み込みが起こりやすくなります。
5.起こりやすい人
以下のような人はインピンジメント症候群になりやすい傾向があります。
デスクワーク
長時間のパソコン作業により
• 猫背
• 巻き肩
になりやすく、肩のスペースが狭くなります。
スポーツ選手
特に
• 野球
• テニス
• バレーボール
• 水泳
など、腕を上げる動作が多いスポーツで発生しやすいです。
肩をよく使う仕事
・美容師
・調理師
・介護職
なども発症しやすいと言われています。
6.検査方法
インピンジメント症候群では以下の検査がよく使われます。
Neerテスト
検者が腕を前方に挙上し、痛みが出るか確認する検査です。
肩峰下での挟み込みを確認します。
Hawkinsテスト
肩を90°挙上した状態で内旋させ、痛みを確認します。
腱板のインピンジメントを評価する検査です。
ペインフルアークテスト
腕を横から上げていき60°~120°で痛みが出る場合は陽性と判断されます。
7.治療と改善方法
治療は炎症の軽減と肩の機能改善が重要になります。
①安静と炎症コントロール
炎症が強い場合は
• アイシング
• 電気治療
• 超音波治療
などを行います。
また、痛みが強い場合は無理な運動を避けることも大切です。
②姿勢改善
猫背や巻き肩を改善することで肩のスペースを広げます。
特に重要なのは胸椎の伸展です。
胸椎が丸くなると肩甲骨の動きが悪くなります。
③肩甲骨のトレーニング
肩甲骨周囲筋を鍛えることで、肩の安定性が向上します。
代表的な筋肉
• 前鋸筋
• 僧帽筋下部
• 菱形筋
などです。
④腱板トレーニング
インナーマッスルを強化することで、上腕骨の位置を安定させます。
代表的な運動
• チューブ外旋運動
• チューブ内旋運動
などです。
8.予防方法
インピンジメント症候群を予防するためには肩甲骨の動きを保つことが重要です。
おすすめの習慣
・肩甲骨ストレッチ
・胸のストレッチ
・背中の筋トレ
また
長時間のスマートフォンやパソコン使用時は1時間に1回肩を動かすようにすると予防になります。
まとめ
インピンジメント症候群は、肩の中で腱や滑液包が挟み込まれることで起こる肩の疾患です。
主な原因は
• 姿勢不良
• 肩甲骨の機能低下
• 腱板筋力低下
などが挙げられます。
放置すると腱板断裂など重度の障害につながる可能性もあるため、早期の対処が重要です。
適切な治療と運動療法を行うことで、多くの場合は改善が期待できます。
肩の痛みを感じた際には無理をせず、専門家に相談することが大切です。
1.インピンジメント症候群とは
インピンジメント症候群とは、肩関節を動かす際に骨や靭帯、腱が挟み込まれて炎症や痛みが起こる状態のことを指します。
英語の「Impingement」は「衝突・挟み込み」という意味であり、肩の中で組織同士がぶつかることで症状が発生します。
特に肩の関節では、
• 上腕骨(腕の骨)
• 肩峰(肩甲骨の一部)
• 腱板(けんばん)
この3つの構造の間で挟み込みが起こりやすく、これが痛みの原因になります。
スポーツ選手だけでなく、
デスクワークや家事をする方でも多く見られる非常に一般的な肩の疾患です。
2.肩の構造とインピンジメントの仕組み
肩関節は人体の中でも最も可動域が広い関節です。
しかしその反面、安定性が低く、筋肉や靭帯によって支えられています。
肩の中には「腱板」と呼ばれる4つの筋肉があります。
腱板の構成
・棘上筋
・棘下筋
・小円筋
・肩甲下筋
この筋肉群は、上腕骨を肩甲骨に引きつけながら肩を安定させる役割を持っています。
しかし肩を挙げた際に
上腕骨と肩峰の間のスペース(肩峰下スペース)
が狭くなると、腱板や滑液包が挟まれてしまいます。
この状態が繰り返されると
• 腱板炎
• 滑液包炎
• 腱板損傷
などへ進行する可能性があります。
3.主な症状
インピンジメント症候群では以下のような症状が見られます。
①肩を上げると痛い
腕を横から上げる際に痛みが出ることが多いです。
特に60°~120°の間で痛みが出る「ペインフルアーク」が特徴的です。
②夜間痛
夜寝ているときに肩が痛くなることがあります。
特に
• 横向きで寝たとき
• 寝返りしたとき
に痛みを感じることが多いです。
③肩を動かすと引っかかる感じ
肩を動かした際に
• ゴリゴリする
• 引っかかる
• 詰まる感じ
が出ることがあります。
④力が入りにくい
腱板の炎症が進むと
• 腕が上がらない
• 力が入らない
といった症状も現れます。
4.原因
インピンジメント症候群の原因は大きく分けて
①構造的要因
②機能的要因
の2つがあります。
①構造的要因
肩の骨の形によってスペースが狭くなるケースです。
例えば
• 肩峰の形状異常
• 骨棘(骨のとげ)
• 加齢による変形
などが原因になります。
この場合、骨の構造によって挟み込みが起こりやすくなります。
②機能的要因
臨床で最も多いのはこちらです。
主な原因
・猫背姿勢
・肩甲骨の動きの低下
・腱板筋力の低下
・肩甲骨周囲筋の弱化
特に肩甲骨の動きが悪くなることが大きく関係しています。
肩を上げる際には
• 上腕骨
• 肩甲骨
が連動して動く必要があります。
しかし姿勢不良などにより肩甲骨が動かなくなると上腕骨だけが動き、肩のスペースが狭くなるため、挟み込みが起こりやすくなります。
5.起こりやすい人
以下のような人はインピンジメント症候群になりやすい傾向があります。
デスクワーク
長時間のパソコン作業により
• 猫背
• 巻き肩
になりやすく、肩のスペースが狭くなります。
スポーツ選手
特に
• 野球
• テニス
• バレーボール
• 水泳
など、腕を上げる動作が多いスポーツで発生しやすいです。
肩をよく使う仕事
・美容師
・調理師
・介護職
なども発症しやすいと言われています。
6.検査方法
インピンジメント症候群では以下の検査がよく使われます。
Neerテスト
検者が腕を前方に挙上し、痛みが出るか確認する検査です。
肩峰下での挟み込みを確認します。
Hawkinsテスト
肩を90°挙上した状態で内旋させ、痛みを確認します。
腱板のインピンジメントを評価する検査です。
ペインフルアークテスト
腕を横から上げていき60°~120°で痛みが出る場合は陽性と判断されます。
7.治療と改善方法
治療は炎症の軽減と肩の機能改善が重要になります。
①安静と炎症コントロール
炎症が強い場合は
• アイシング
• 電気治療
• 超音波治療
などを行います。
また、痛みが強い場合は無理な運動を避けることも大切です。
②姿勢改善
猫背や巻き肩を改善することで肩のスペースを広げます。
特に重要なのは胸椎の伸展です。
胸椎が丸くなると肩甲骨の動きが悪くなります。
③肩甲骨のトレーニング
肩甲骨周囲筋を鍛えることで、肩の安定性が向上します。
代表的な筋肉
• 前鋸筋
• 僧帽筋下部
• 菱形筋
などです。
④腱板トレーニング
インナーマッスルを強化することで、上腕骨の位置を安定させます。
代表的な運動
• チューブ外旋運動
• チューブ内旋運動
などです。
8.予防方法
インピンジメント症候群を予防するためには肩甲骨の動きを保つことが重要です。
おすすめの習慣
・肩甲骨ストレッチ
・胸のストレッチ
・背中の筋トレ
また
長時間のスマートフォンやパソコン使用時は1時間に1回肩を動かすようにすると予防になります。
まとめ
インピンジメント症候群は、肩の中で腱や滑液包が挟み込まれることで起こる肩の疾患です。
主な原因は
• 姿勢不良
• 肩甲骨の機能低下
• 腱板筋力低下
などが挙げられます。
放置すると腱板断裂など重度の障害につながる可能性もあるため、早期の対処が重要です。
適切な治療と運動療法を行うことで、多くの場合は改善が期待できます。
肩の痛みを感じた際には無理をせず、専門家に相談することが大切です。