BLOG

前腕骨骨折について

前腕骨骨折の分類

皆さんこんにちは。
まだまだ寒さが続く陽気ですが、お怪我はありませんか?
僕も経験がありますが、こういった時期にウォーミングアップ不足により、誤って運動中に転倒し、骨折や脱臼などの大怪我に繋がるリスクも増える傾向にあります。

今日は前腕骨の骨折について、ご紹介していきます‼︎

・前腕骨とは?

前腕骨は橈骨と尺骨の2本の骨からなります。
この両骨が近位では上腕骨と肘関節を形成し、遠位では手根骨と手関節を形成し、また橈骨、尺骨ではその両端で近位橈尺関節、遠位橈尺関節を形成します。

前腕骨骨折は近位端部、骨幹部、遠位端部に分類されます。

①前腕骨近位端部骨折

⭐︎橈骨近位端部骨折
⭐︎肘頭骨折
⭐︎橈尺両骨近位端部骨折

②前腕骨骨幹部骨折

⭐︎橈骨骨幹部骨折
⭐︎尺骨骨幹部骨折
⭐︎橈尺両骨骨幹部骨折

③前腕骨遠位端部骨折

⭐︎橈骨遠位端部骨折
⭐︎尺骨遠位端部骨折
⭐︎橈尺両骨遠位端部骨折

上記に分類されます。
こういった種類がある中で、今回は代表的な内容をご紹介していきます。

橈骨近位端部骨折

橈骨近位端部骨折は、橈骨頭または橈骨頸部ときにはその両者にわたる部分に発生し、頭部は成人に、頸部は小児に多く見られます。
この部分は肘関節に近い部分であり、適切な治療が施されないと肘関節の機能障害を残す可能性がある極めて判断が大事にぬるお怪我です。
また、骨折の種類で圧迫骨折や粉砕骨折であれば手術の適応になります。

発生する原因で多いのは、手掌から手をついて勢いよく転倒した時に長軸圧が加わり起こる事が多いです。

お子様の場合、転位が軽度であれば自家矯正により位置関係は正常になりますが、成長に著しく関係する骨端線部付近で起こる事が多いのが特徴です。
この骨折では、先ほどお伝えしたように、回旋運動の制限のリスクが高いことがポイントになります。
なので、治療やリハビリが重要になります。

骨折した場合、骨折部の傾斜が30°以上の場合は機能障害、変形を残しやすく観血的(手術)な対応が必要になります。


・0~30° →軽度の転位(肘関節捻挫との鑑別が必要)
・30~60° →中等度の転位
・60°以上 →完全転位

症状は腫れ、患部の疼痛、前腕回旋運動、橈骨長軸方向からの圧迫で激痛があります。
骨の修復には、小児で2~3週間。成人で3~4週間といわれています。
骨の修復からリハビリに入った際に、可動域訓練に時間要します。

他にも、他の部位の骨折や関節ねずみ(関節遊離体)、成長期の骨端線の成長障害など怖い合併症や後遺症もありますので、痛めてしまった場合はすぐにご来院ください。



モンテギア骨折

モンテギア骨折とは、尺骨骨幹部上・中3分の1境界部の骨折と同時に橈骨頭の脱臼しているものをいい、進展型と屈曲型の2パターンあります。

尺骨骨幹部近位の骨折では、橈骨骨幹部の骨折が合併していない場合は橈骨頭の脱臼を疑う事が大事です。
橈骨頭の脱臼を見落とすと著しい後遺症が残ってしまいます。

この骨折は治療が難しいおケガと言われておりまして、特に進展型の骨折は極めて難しいです。
固定などは、金属副子など使用し6〜8週固定します!

合併症や後遺症は、橈骨頭の再脱臼や尺骨骨折の偽関節。
尺骨骨幹部の変形。
橈骨神経麻痺(後骨間神経麻痺)が考えられます。

当院で、モンテギア骨折の疑いの方がご来院された場合は、脱臼の整復などの応急処置を施し、ご希望の医療機関と連携しお身体の回復の経過をみていきます。

固定肢位も進展型は力瘤を見せるように肘を鋭角に曲げた状態で固定したりしなければいけないので、変形や拘縮を軽度に収める事が重要です!
物理療法は超音波治療器などを用いて、治癒促進に全力で取り組んでいきます。

まず、受傷しないよう日々の生活で、転倒などに気をつけて皆さんお過ごしくださいね!

橈骨遠位端骨折(コーレス骨折)

橈骨遠位端部骨折は、発生の頻度がとても高い骨折で幼児から高齢者にかけて幅広い年齢層に発生します。

幼小児は骨がまだ成長している途中で骨に柔軟性があるため、若木骨折や竹節状骨折などが多く予後はしっかり治療すれば良好ですが、橈骨近位端部骨折の内容でもご案内しましたが、お子様の方々は骨の成長に関わる骨端線があるため、そこの損傷のある場合に見逃さないよう注意が必要です。

高齢者の方々は粉砕骨折や多発骨折が多く、粉砕などしてしまうと長期間の固定が必要になりますが、固定すると拘縮など機能障害が著しく現れる一方、固定期間が短すぎても、変形してしまうリスクがあるので相反する2面の要素を持っています。
当院では、こういったケースの場合は医療機関の先生方のご意見も伺いながら、患者さまの求めるベストな内容を考え処置しております。
包帯、装具の頻繁な確認から痛みの度合い、患部以外の拘縮を最小限にするための加療を施します。
基本的にはご高齢の方々には機能を落とさない為の手段を優先し、できるだけ自動運動を開始できるようにしていきます。

コーレス骨折 続き、、、

症状は、手をついて無理な力が加わり、手関節1〜3cm近位の部分で骨折します。
その際に綺麗に骨折線が入り、骨片ができてしまうと骨が筋肉などの影響により転位してしまいます。
その際に骨片が転位するので、骨折部の厚さと幅が増大します。

よく医療用語などでは、その変形の状態をフォーク状変形などと表現しております。
コーレス骨折をした際の特徴的な症状です。

機能障害も前腕の回外、手で物を握る、親指、人差し指で摘む動作や手首の運動制限などの障害が出るので、もしケガしてしまった場合は確認してみてください!

リハビリは、受傷してから一週間くらいは再転位に留意し、約2週間すぎより徐々に良肢位に、近づけます。
指先の運動は、拘縮予防の為に翌日から無理のない範囲ではじめていきます。
約4〜5週で骨癒合を認めたら、固定を除去した後は手首から少しずつ動かしていきます。

後遺症なども、上記の内容でお伝えしたような内容と類似し、神経症状や変形のリスクげ十分にある為、こまめな症状の変化や不安間に対応する事が大事です。

骨折に対して当院でできること

当院では、主に骨折の治療に対して徒手によるリハビリ、骨癒合促進を目的にした治療器を導入します。
そして根本の患部を安静にさせる目的の固定をこまめに確認し、緊縛や浮腫、固定中の患部の安静状況をしっかりと確認します。
目安になる修復期間はございますが、今回の内容でお伝えしたように年齢、性別、競技者、お勤めの方などさまざま条件により内容は少し異なります。
そういった内容により患者さまに合わせて治療して参ります。
最後になりますが、骨折は地域の整骨院、接骨院で治療することができます。
病院や整形外科だけでなく、骨折、脱臼、捻挫、打撲、筋肉などの挫傷。こういった内容は医療機関のお力もお借りしながら対応できます。
是非、何かお困りのことなどございましたらご来院またはお問い合わせ頂けますと、治療の内容をご説明させていただきます。
緊急を要する場合、時間外でも対応いたしますのでいつでもご相談ください。

お怪我に気を付けて皆さんお過ごしください!!!!!