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小児に多い肘周囲のお怪我

ゴールデンウィークは楽しく過ごせましたか?

こんにちは。
ゴーデンウィークの期間は皆さんゆっくりお休みになれましたでしょうか?
ニュースなどでは、お出かけしている様子や渋滞情報など数年前の活気が戻っているように感じました!
患者様から、お出かけ先の話を聞くのが楽しみです!

一方で事件や事故など、良い話題とは言えないニュースも飛び交っていました!
当院にもゴールデンウィーク中、お身体を痛めてご来院される患者さまも多くおりましたので、楽しめなかった方々もいると思うと残念です。

今日は幼少期のお子様たちに起こるお怪我についてご案内していきたいと思います。
『肘内障』や『上腕骨顆上骨折』とは、
どんな状況やお怪我かわかりますか?

肘が抜けた。はずれた。
という表現をされるお父様やお母様もいらっしゃると思いますが、簡単に言えばお子様の肘の亜脱臼状態です。
どう言った事が原因で起きるか。
どんな治療が必要なのか。

また転倒し手をつき負傷する事が多い顆上骨折はどういった症状なのか?
最悪の場合手術の可能性も、、、。

そういったことをお伝えしていこうかなと思ってます!

肘内障

〜原因〜
小さいお子様の体は発達途中のため、肘にある輪状靭帯という靭帯と前腕の骨の橈骨頭はしっかり固定されていません。

発生機序として多いのは、親御さんが不意に手を掴み引っ張った際や転倒し手をついた時。
腕を掴んで何度も持ち上げるなどした時に発生することが多い傾向にあります。
他には衣服の袖を通す動作や遊んでいるときに、手を持って振り回すなど何気ない動作で受傷します。

輪状靭帯が発達していない1歳未満から6歳(特に2〜4歳)ぐらいのお子さんに多い疾患です。 肘内障の約50%はお子さんの手を引っ張った際に起こります。
肘関節の亜脱臼の状態になっています。
特徴としては、受傷直後に突然泣き出し腕を使わなくなる事が目立ちます。

発生機序によっては、肘周囲の骨折に注意する事が必要です!

続き、、、

処置については、当院で適切に状態を確認した後、いくつかの徒手整復法を行い整復していきます。
お子様ができるだけ不安にならないようスタッフで寄り添っていきます。

整復後、おもちゃなど興味のあるものを患側の手で握ってもらい握力と整復確認を行い、握る確認ができれば大丈夫です!
もし、患側の上肢を使わない場合は骨折を疑う必要があります。

指導管理としては、保護者の方へ小児を持ち上げる際は、前腕部を持たないよう注意が必要です。
または、急激に手を引っ張るような動作が起きると発生するリスクが高まる為気をつけていただく事をお願いします。
遊んでいるお子様が転倒など危険を感じれば、お父様やお母様も慌てて手をとり身体を支えたりすると思いますが、そういったシーンで肘が抜けてしまう事があります。

短期間で頻繁に繰り返す場合は、数日の固定が必要になります。

上腕骨顆上骨折

上腕骨内側上顆と外側上顆を結ぶ線より近位の骨折で、これは骨幹部が顆部に移行する境界部
付近を骨折線が走行する近位型と、内側上顆、外側上顆の直上を走行する遠位型があります。

■特徴

(1)臨床上とくに重要な骨折で、しかも問題が多く、治療のむずかしい骨折である。

(2)幼小児に好発する、小児が手を衝いて倒れ、時関節部に激しい疼痛、腫張、運動障害を訴えて来院した場合は、まず第一にこの骨折を考えるべきである。

(3)肘関節周辺の骨折のうちもっとも頻度が高い。

■発生機序および分類
発生機序から伸展型骨折と屈曲型骨折に分ける。
発生類度は伸展型が高い。

1 伸展型骨折,

肘関節伸展位で手を衝いて倒れた場合、肘関節部に強力な前方の屈曲力が作用して骨折します。

2 屈曲型骨折

肘関節屈曲位で肘部を行いて倒れた場合、上腕骨遠位端に過屈曲力が働き、骨折を起こす。

上腕骨顆上骨折は、治療法によっては、肘関節周囲の機能障害及び変形を残しやすく、阻血性拘縮(フォルクマン拘縮)の好発部位でもあるお怪我です。

続き、、、

症状

1腫脹
時関節全周に著明(骨髄、職部組織からの出血のため)

2疼痛
限局性圧痛、運動痛、自発痛すべて著明

3 機能障害
肘関節の運動不能(屈伸運動障害)
他動運動でないと動かせないです。

4) 異常可動性および軋轢音
著明

5)変形
伸展型骨折では、遠位骨片が後上方に転位するため、時間節後方脱臼と類似の外観を呈する。

6 肘関節の厚さと幅の増大
近位骨片に遠位骨片が騎乗(短縮転位)するため、厚さと幅が増大する。

※肘関節後方脱臼との鑑別が必要になる事がありますので注意が必要です。

他にも、自分で動かせるかの有無、世代、肘のヒューター線と言われる位置関係など、診断をする上で必要な情報は沢山ございますが、皆さんのお近くでもし上記のような症状のお子様がおりましたら、一度当院へご来院頂けますと幸いです。

最後になりますが、今日お話しした2つの外傷は、発症するケースが多いお怪我です。
もし短かの方に類似した症状のお子様がいた場合、今回の投稿が連休などで医療機関がお休みの際の参考材料になれば良いと思い、ご案内しております。

また、当院もほとんどの日が診療しておりますので、お困りの際はご連絡ください。

最後まで読んで頂きありがとうございます♪♪