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外傷予防に必要な筋力トレーニングの実際

競技者の外傷予防には、内的要因である競技者自身のもつマルアライメントや筋力低下などの問題点の修正と、外傷への直接的誘発要因である受傷メカニズムのバイオメカニクス的回避が必要となる。
それには競技者自身の柔軟性や筋力特性,マルアライメントなどの複合的な動的アライメント異常に対してアプローチをしていくことが必要になる。

動的アライメントの異常に対しては、前額面上、水平面上、矢状面上に分けて考えるとアプローチしやすい。
実際には1つの面ではなく三次的に問題があるため一つひとつ解決をしていく・
ここではトレーニングマンスがなくてもできる自重によるトレーニングを中心に述べる。

胸部の柔軟性および可動性向上トレーニング

胸郭が硬いと肩関節や腰部に負担がかかることが多いため、胸郭を柔軟にする必要がある。

肩甲帯のトレーニング

肩甲帯が安定していないと上肢の運動時に肩関節や肘関節への負担が増加する。肩甲帯を安定させるために上肢の位置を変化させた状態でトレーニングを行う。

回旋筋腱板のトレーニング

肩甲帯のトレーニングと同様、肩甲帯の安定化に必要なトレーニングである。
ウォーミングアップでは筋の活性化を目的に弱い負荷で速く動かす。
筋力トレーニングとして行う場合は、強すぎない負荷でゆっくりと動かしていく。

回旋筋腱板のトレーニング負荷量は最大でも3kgとする。強度の弱いチューブでほとんど十分である、すべてのトレーニングは、肩甲骨面で行う.

外旋運動は棘下筋・小円筋のトレーニングとなる。肩甲骨の運動が参加しない範囲で行う。

内旋運動は肩甲下筋のトレーニングとなり、外旋運動と同様に肩甲骨の運動が参加しない範囲で行う。

体幹につけたポジションだけでなく、競技特性を考慮し、肩関節 90°外転位やゼロ・ポジションでも行う。
代償動作として手関節の屈筋や伸筋を利用しやすく、手関節の過剰な橈屈や尺屈あるいは掌屈や背屈の動きが参加することがあるため注意する。

外転運動は棘上筋のトレーニングとなる。
外転運動は缶を持った肢位にたとえられ、親指が上に向いている(full can)と下を向いている「empty can」でのトレーニング方法があるが、競技特性を考えるとfull can のトレーニングで十分であることが多い。
注意点として、外転 45°程度以上は代償動作を起こしやすく他の筋も作用してくるため、角度を上げすぎないようにする。
また、棘上筋の収縮をうまく使うことができず、体幹の側屈、肩甲骨の下方回旋などの代償動作や外
旋・内旋運動と同様に手関節の屈筋や伸筋も使用しやすいため注意する。

内転運動も外転運動と同様に棘上筋のトレーニングとなるが、棘上筋の痛みなど肩の痛みがある場合は内転運動を先に行い、外転に関与する筋を弛緩させたうえで外転運動を行うとよい。
内転運動は、腋窩に柔らかいポールを挟んで行うトレーニングが一般的である。
柔らかいポールがない場合は、タオルや反対側からチューブを引っ張ってもよい。