「筋肉量は十分と言われたのに、脚に力が入らない」「体重は軽いのに、片脚で立ち上がれない」。このような違いを考えるときに役立つのが、WBIと%MVです。どちらも体重を基準にした指標ですが、見ているものは同じではありません。WBIは“筋肉が発揮できる力”、%MVは“身体に占める筋肉の量”を表します。両者を組み合わせることで、単に筋肉が多い・少ないだけでなく、その筋肉をどれだけ使えているのかまで考えられます。
WBIと%MVとは
WBI(Weight Bearing Index:体重支持指数)は、主に大腿四頭筋の最大膝伸展筋力を体重で割って求めます。測定値を割合で示す場合は「膝伸展筋力÷体重×100」で表し、筋力が体重と同じならWBI100、体重の半分ならWBI50です。施設によって0.5、1.0のように小数で示す場合もあり、WBI50と0.5、WBI100と1.0は同じ意味です。
WBIは、歩く、階段を上る、走る、跳ぶなど、自分の体重を脚で支える能力の目安になります。一般的には、WBI40前後が平地歩行、60前後が日常生活やジョギング開始、90前後が片脚で低い台から立ち上がる動作、100以上が競技スポーツを考える一つの目安です。ただし、測定肢位や機器、痛み、測定への慣れで値は変わるため、数字だけで運動の可否を決めるものではありません。
一方、%MV(Percent Muscle Volume)は、ここでは「筋肉量÷体重×100」で算出する筋肉量割合を指します。たとえば体重60kg、筋肉量42kgなら%MVは70%です。体格の大きさそのものではなく、体重の中で筋肉が占める割合を見るため、体脂肪が増えると筋肉量が変わらなくても%MVは下がります。なお、体組成計による筋肉量は水分、食事、運動直後などの影響を受けるため、同じ条件で経過を追うことが大切です。
WBIは、歩く、階段を上る、走る、跳ぶなど、自分の体重を脚で支える能力の目安になります。一般的には、WBI40前後が平地歩行、60前後が日常生活やジョギング開始、90前後が片脚で低い台から立ち上がる動作、100以上が競技スポーツを考える一つの目安です。ただし、測定肢位や機器、痛み、測定への慣れで値は変わるため、数字だけで運動の可否を決めるものではありません。
一方、%MV(Percent Muscle Volume)は、ここでは「筋肉量÷体重×100」で算出する筋肉量割合を指します。たとえば体重60kg、筋肉量42kgなら%MVは70%です。体格の大きさそのものではなく、体重の中で筋肉が占める割合を見るため、体脂肪が増えると筋肉量が変わらなくても%MVは下がります。なお、体組成計による筋肉量は水分、食事、運動直後などの影響を受けるため、同じ条件で経過を追うことが大切です。
WBIと%MVの関係
若年健常者を基に示された対応の目安には、次のような関係があります。
|%MV|WBIの目安|想定される状態 |
|--:|-----:|---------------|
|60%|60 |筋肉割合・体重支持力とも低め |
|62%|70 |日常生活は可能でも余力が少ない|
|65%|80 |一般的な活動に対応しやすい |
|69%|90 |活動量の高い生活に対応しやすい|
|72%|100 |スポーツ参加を考える基礎水準 |
|76%|110 |運動習慣のある人にみられやすい|
|79%|120 |高い筋力を持つスポーツ層 |
|82%|130 |競技者レベルの高い体重支持力 |
基本的には、体重に占める筋肉の割合が高いほどWBIも高くなりやすいと考えられます。しかし、これは「%MVが72%なら必ずWBI100」という意味ではありません。筋肉量が多くても、運動不足、関節痛、手術後、神経系の働きの低下、力を出すことへの恐怖があるとWBIは伸びません。反対に、筋肉量がそれほど多くなくても、筋肉を効率よく動員できる競技者ではWBIが高くなることがあります。両者の差を見ることで、筋量不足なのか、筋出力不足なのかを推測できます。
|%MV|WBIの目安|想定される状態 |
|--:|-----:|---------------|
|60%|60 |筋肉割合・体重支持力とも低め |
|62%|70 |日常生活は可能でも余力が少ない|
|65%|80 |一般的な活動に対応しやすい |
|69%|90 |活動量の高い生活に対応しやすい|
|72%|100 |スポーツ参加を考える基礎水準 |
|76%|110 |運動習慣のある人にみられやすい|
|79%|120 |高い筋力を持つスポーツ層 |
|82%|130 |競技者レベルの高い体重支持力 |
基本的には、体重に占める筋肉の割合が高いほどWBIも高くなりやすいと考えられます。しかし、これは「%MVが72%なら必ずWBI100」という意味ではありません。筋肉量が多くても、運動不足、関節痛、手術後、神経系の働きの低下、力を出すことへの恐怖があるとWBIは伸びません。反対に、筋肉量がそれほど多くなくても、筋肉を効率よく動員できる競技者ではWBIが高くなることがあります。両者の差を見ることで、筋量不足なのか、筋出力不足なのかを推測できます。
年齢・体格・生活背景では、どの値に位置しやすいのか
10~20代で部活動や競技スポーツを継続している人は、%MVが高く、WBI100~130付近に位置しやすい傾向があります。特に走る・跳ぶ・切り返す競技では高い体重支持力が求められます。一方、同じ若年層でも座りっぱなしで運動習慣がない人、極端な食事制限をしている人は、%MVとWBIがともに低くなり得ます。
30~50代では、年齢そのものよりも仕事と生活習慣の影響が大きくなります。身体を使う仕事や継続的に筋トレをする人は高値を保ちやすい一方、デスクワーク、長時間の座位、体重増加がある人では、筋肉量が極端に減っていなくても体脂肪と体重が増えるため%MVとWBIが下がりやすくなります。体格が大きい人でも筋肉の多い人と脂肪の多い人では意味が違うため、BMIや見た目だけでは判断できません。
60代以降は、加齢に伴う筋量・筋力低下に加え、外出減少、食事量の低下、入院や痛みによる活動制限が重なりやすくなります。その結果、%MVとWBIがともに低下し、WBI60未満では階段や床からの立ち上がりに不安を感じ、40前後以下では歩行にも余裕が少なくなる可能性があります。ただし、定期的に運動を続けている高齢者では高い値を保つ人もおり、「年齢が高いから低くて当然」ではありません。
また、肥満傾向の人は分母となる体重が大きいため、絶対的な筋肉量や筋力があっても%MVとWBIは低く出やすくなります。反対に、やせている人は比率が高く見えることがありますが、筋肉の絶対量が少なく、持久力や栄養状態に問題が隠れている場合があります。膝痛、変形性膝関節症、術後、長期安静の人では、痛みや萎縮によって特にWBIが下がりやすく、左右差の確認も重要です。
30~50代では、年齢そのものよりも仕事と生活習慣の影響が大きくなります。身体を使う仕事や継続的に筋トレをする人は高値を保ちやすい一方、デスクワーク、長時間の座位、体重増加がある人では、筋肉量が極端に減っていなくても体脂肪と体重が増えるため%MVとWBIが下がりやすくなります。体格が大きい人でも筋肉の多い人と脂肪の多い人では意味が違うため、BMIや見た目だけでは判断できません。
60代以降は、加齢に伴う筋量・筋力低下に加え、外出減少、食事量の低下、入院や痛みによる活動制限が重なりやすくなります。その結果、%MVとWBIがともに低下し、WBI60未満では階段や床からの立ち上がりに不安を感じ、40前後以下では歩行にも余裕が少なくなる可能性があります。ただし、定期的に運動を続けている高齢者では高い値を保つ人もおり、「年齢が高いから低くて当然」ではありません。
また、肥満傾向の人は分母となる体重が大きいため、絶対的な筋肉量や筋力があっても%MVとWBIは低く出やすくなります。反対に、やせている人は比率が高く見えることがありますが、筋肉の絶対量が少なく、持久力や栄養状態に問題が隠れている場合があります。膝痛、変形性膝関節症、術後、長期安静の人では、痛みや萎縮によって特にWBIが下がりやすく、左右差の確認も重要です。
WBIと%MVを改善する方法
まず必要なのは、自分が「筋肉量不足型」「筋出力不足型」「体重増加型」のどれに近いかを考えることです。%MVもWBIも低い場合は、筋肉量を増やすための筋力トレーニングと栄養の両方が必要です。%MVは高いのにWBIが低い場合は、痛みや可動域を確認したうえで、神経と筋肉をつなぐような筋力発揮の練習が優先されます。体脂肪増加によって両方が低い場合は、筋肉を維持しながら緩やかに減量します。
運動は、椅子からの立ち上がり、スクワット、ステップアップ、レッグエクステンションなど、大腿四頭筋を中心に鍛える種目が基本です。週2~3回から始め、最後の2~3回がややきつい負荷で8~12回を1~3セット行い、楽にできるようになったら少しずつ回数、可動域、重さを増やします。低値の人や高齢者は、椅子を高くする、手すりを使うなど安全を確保し、歩行やバランス練習も組み合わせます。厚生労働省も成人・高齢者に週2~3日の筋力トレーニングを勧めています。
食事では、筋肉の材料となるたんぱく質だけでなく、トレーニングに必要な総エネルギーを確保します。肉、魚、卵、大豆製品、乳製品などを一食に偏らせず、毎食に分けて摂ることが基本です。極端な糖質制限や急な減量は、筋肉量とトレーニングの質を落とす可能性があります。持病や腎機能の問題がある場合は、自己判断で高たんぱく食にせず、医師や管理栄養士へ相談しましょう。
運動は、椅子からの立ち上がり、スクワット、ステップアップ、レッグエクステンションなど、大腿四頭筋を中心に鍛える種目が基本です。週2~3回から始め、最後の2~3回がややきつい負荷で8~12回を1~3セット行い、楽にできるようになったら少しずつ回数、可動域、重さを増やします。低値の人や高齢者は、椅子を高くする、手すりを使うなど安全を確保し、歩行やバランス練習も組み合わせます。厚生労働省も成人・高齢者に週2~3日の筋力トレーニングを勧めています。
食事では、筋肉の材料となるたんぱく質だけでなく、トレーニングに必要な総エネルギーを確保します。肉、魚、卵、大豆製品、乳製品などを一食に偏らせず、毎食に分けて摂ることが基本です。極端な糖質制限や急な減量は、筋肉量とトレーニングの質を落とす可能性があります。持病や腎機能の問題がある場合は、自己判断で高たんぱく食にせず、医師や管理栄養士へ相談しましょう。